今回は抑圧された感情が心と身体に与える影響についてお話します。
感情の抑圧とは
嬉しい、楽しい、感動、悲し
い、寂しいなどの感情を抑えこ
んであたかも何も問題がないか
のように振る舞う事を言います。
その感情の抑圧は、
眼で見てわかりにくいので、
本人が気がついた時には、
重い病気になっていたことも
有り得ます。
感情を抑圧して
それに慣れてしまうと
感情の鈍化が起こります。
自分が、何をしたいのか?
何をしたくないのか?
自分が、どんな事が嫌なのか?
自分は、どんな時に喜びを感じるのか?
自分の感情が、麻痺してわからなくなってしまうのです。
アメリカの論文では、
感情を抑圧している人は、
抑圧していない人に比べて35%
も死亡率が、
高いという検証がされてます。
その死亡原因の70%が
癌であるという結果も出ています。
社会の中で適応して折り合いを
着けて生きてゆくには、
心の中は悲しいのに
笑って振る舞う
そんな大人の対応が必要な時も
あるでしょう。
社会人として生きてゆくためには、
職場では
そのような振る舞いをしたとしても、
一人になれる時間を作り
「今日はこんな辛い事があった
なぁ」と、自分で自分の感情を
受け入れて、よしよしと
自分を愛してあげる時間を作れ
る人と
そうでない人がいます。
ムシャクシャする感情を
セルフケアする方法を知らず
に、パチンコに行ったり
お酒を飲んで紛らわすことしか
出来ない人もいらっしゃいま
す。
どんなに優等生なエリートコー
スを歩んで来た人でも、
自分をいたわるセルフケアの
方法は、学校で教えてもらえな
いのでわからないのです。
ここで私が36年前経験した
エピソードを
お話したいと思います。
私は大学卒業の論文で病弱児へ
の学校の対応を考察する為に実
際に病院に併設された院内学級
に行き、その時に感情に蓋をし
てしまうと心の傷になる事を学
びました。
そんな経験を経て
美術教室を後に開いたので
私の教室では、
いらした生徒さんが、もしも
学校で悲しい事、
ショックな事があったら
上手な絵は描かなくてよいから
先ず、その感情を
色と形で表現出来る環境を
整えるようにしております。
私の美術教室で10歳の男の子が、
叫びながら血だらけの戦いの絵
を描き始めた事がありました。
私はそれを見て
一瞬どんな言葉をかけようかと
躊躇いましたが、
黙って最後まで見守ることにし
たのです。
いろんなシーンを描いて最後に
その男の子が言った言葉は
「あ〜、スッキリした」と言う
ホッとしたような一言でした。
その一言を聴いて私は
「もっと、〜したら?」
のような余計な一言を
言わなくて良かった
と思いました。
私は、上手に描くと言う
小手先のテクニックの指導を
しなかったけれども、
その日を境に
その男の子の描く絵は
メキメキと豊かな
表現力のある絵に
変わっていったのです。
当時10歳だったその男の子も、
今では
43歳のパパになられて
いらっしゃいます。
お引越しでお別れした時の
最後のレッスンの日
その男の子と妹さんは、教室の
床をピカピカに雑巾がけしてく
ださいました。
花束を持ったお母様の
眼にいっぱい涙をためていらし
ゃったお母様の姿に、
今でも感謝です。
私は、「もっと、こうしたら?」と言うような
余計な一言を言わなくて良かったと思いました。








